2021年6月15日火曜日

生命力

  どろんこの中で体を横たえてけらけらと笑っている。何がおかしいのか、何が楽しいのかなんだかわからないけれど、腹を抱えて笑っている子もいる。泥の中からむっくりと起き上がって、子ども同士は顔を見合わせて笑っている。肩を震わせて笑っているから、きっと何か楽しいことを見つけたのかもしれない。

 2階のテラスにいると、下から階段を上がってくる女の子がいる。両手に大事そうにボールを持っている。そのボールを見てみるとボールの上に砂が山になって乗っている。その砂が崩れないように大切に両手で持っているのだ。それをどうするのかなとその行くへを追っていると、大きな滑り台のところへきてそのボールを滑り台に転がした。科学する心が芽生えているのだ。大人は経験の中でそれがどうなってしまうのかを知っているが、子どもは違ったことを期待していたのかもしれない。滑り台の実験で何を感じたのだろうか、聞いてみたい気もするけれど、子どもが感じたままをしっかりと胸の中にしまっておいた方が良いだろう。

 テラスから下の方に目をやって、あおば台の自慢の滝を見てみると、何人かの男の子が水に打たれながらキャッキャとしている。頭に砂遊びで使う鍋を置いたり(かぶったり)フライパンを置いたりして全く鉄兜のようにして遊んでいる。とても暑い日だからこの遊びも面白い。フライパンの奪い合いが始まったのかと思うと、なんと交代で使って遊んでいるではないか。仲間関係がいいなとにやっとしながらそう思う。

 子どもって意味もないのに一生懸命走る。何か目的があるのかと思うとそうでもない。ただ一生懸命に走っているのだ。しかしその目は真剣そのものだ。何かに一目散に向かって走っているようで、目的があるのでもない。ひたすらなその目に深い生命力を感じるのだ。高杉晋作が言ったそうだ。「面白くもない世の中を面白く」。楽しく素晴らしい人生を送ってほしいものだ。

能登半島

   能登半島でM7の巨大地震があるなんて夢想だにしなかった。正月に「昨日と同じ朝が来る」なんて不謹慎なことをかいてしまった。まさかそのあとで能登半島に大きな地震が来るなんて悔やみきれない。今日時点で死者数が202人となった。行方不明者がその200人を超えている。これからまだまだ...