幼稚園はすでに終業式が終わり夏休みに入った。夏休みといえどもつい数年前と違って毎日幼稚園は稼働している。預かり保育というのがあるからで、毎日保育者が園にきて保育をしている。全員が来ているわけではなく、何人かで役割を決めて幼稚園の通常の保育やら作業をしている。暑いのに頑張って大変だ。幼稚園にきている子どもたちも大変だ。先日お迎えに来ているお母さんと職員室の前でお会いして、子どもたちが遊んでいる園庭を覗いていた遠くの方から母親の姿を見つけて一目散に母親のもとに駆け寄ってくる子どもの顔を観ていたら、憔悴しきっていた顔がにわかに活気を取り戻して母親にべったりとくっついている。「今日は預かりなんだ!」などと言って最初の頃は得意がっていたけれども、時間が来て一人減り二人減りと、徐々に仲間が母親に連れて帰ってしまうと、笑顔の中にもどこか影を落とす顔になる。そして母親が迎えに来る姿を見ると我慢できなくなって母親に飛びついていく。このような心の抑揚が将来どのような育ちとして人間成長に刻み込まれて行くのだろうか。
初等学部は2学期制だから終業式は9月に行うけれど夏休みがないわけではない。校内の通称「軽井沢」というところでキャンプをしている。この学校には校内が広いというだけではなく、多くの施設がワイルドだけど揃っている。ここに通っている生徒の数は少ないけれど、みんな元気ではつらつとした顔をしている。屈託がなく1年生から6年生まで男女を問わず仲が良い。何よりも自慢なのは全員が自分の目標を持ちそのことについてプレゼンをする場合には臆することなく堂々としてできるというのが自慢だろう。何といっても人間社会の基本である人と人が仲が良いというのが最も優れた自慢だろうな。