お泊り会の導入の時に「お母さんと離れるのが嫌だからお泊り会は嫌だという人はいますか」ということを投げかけたら、どちらの園でも30%ぐらいの子が手を挙げた。男女ともにである。「度胸試し」という言葉がなぜか子どもの中に恐怖を植え付けたようで、最近では「探検」という風に言い換えている。言葉がひ弱になって何でも軟弱な方になびいていくようだ。あおば台ではどろんこ遊びというものを大切にしてきたので、その時に用意したものが「どろんこパンツ」であるけれども「どろんこ」というのがあまり良いイメージを持たないということで「おひさまパンツ」という風に直されてしまった。吹けば飛ぶようなこれまた軟弱な名称ではないか。上流社会で育ったのかどうか定かではないけれど、ワイルドなイメージは最近の保護者にはフィットしないようだ。余談になるけれども最近守谷の方に「どろんこ幼稚園」というのが開園されていて人気沸騰しているようだ。私の幼稚園は先に行き過ぎているのだろうか。
話を前に戻して、キャンプ当日の夜は保育者のスタンツなどがあったりして、保育者とともにまじりあって楽しんだのではないかと思う。子どもたちの歓声はいつどんな時に聞いても前向きだからいい。そして一夜明けて子どもたちに聞いてみた。「夜になって家に帰りたくなって泣きそうになった人!」と言ったら、臆せずに堂々と10%の子どもたちがサッと手を挙げた。かつては少しばかりでも恥ずかしそうにしていたのだけれども、今はない。歯を食いしばるとか我慢をするということが少なくなってきたようだ。誰でもそういった経験はするものだけれども、そのような状況に置かれたときにはどうするのだろうか。英国にはレジリエンス教育(やりぬく)というのがあるけれども、今の日本にはないからどうします。