何も恐れることはないが、無知であることが一番恐れる。ものを知らない、ものが理解できないなんてことは苦しみの極みであろう。これほど辛くて悲しいことはない。だから小学校へ行っても子どもたちに会うと、そればかりが頭の中にあって「勉強しろ」とは言わないが「何も焦ることはないが今日中には少しでも進めた方がいいよ」みたいな、どうでもよさそうなアドバイスしかできない。内心は「しっかりやっておけよ」なんだけれども自分にはそれだけの力がない。お金のためだけだったらそんなに頑張らなくても、宮大工(とても難しいけれど)になったり左官屋になってもいいのではないかと考えてしまう。
しかし私の人生はついてると思えばつきすぎているところがある。初等学部の保護者に東大の教授をしていて現在は某大学の教授をしている人がいて、たまに話し合える時があったり、また勉強会を開いてくれるという、偶然にしたってつきすぎている。この歳になって図らずも東大教授にご教授いただけるなんて、まったく世界の違う奇跡が起きたとしか思えない。そしてまた授業においては「東大脳」のドリルを執筆された東大出のご本人が、初等学部に来られて授業をやって見せてくれるという。こんなに奇跡が続いてよいものか、いつもより強くボーとしているしかない。保護者の皆さんも興味のある方は26日の5時間目から算数と国語を公開してくれるので、出席の有無を学校に知らせておいでください。
初等学部を創設して13年目になるけれども、否幼稚園を設立してから46年目になるけれども、私にとって一番大きな果実と言えば初等学部を創設して凄い人たちに出会うことができて、お手紙をいただいて今でも大切にカバンの中に入れて持ち歩いていること。何といっても保護者に助けてもらって今までこれたことに感謝以外に何もない。