東大教授と言ってもすでに退官しているけれど、哲学の教授であった。どんなことをどんなふうにやるのか興味があったので私も参加させていただいたが「なるほど」と唸ることが多かった。小道具はサッカーボールらしきもの一つ。机はなしで椅子に教授を囲むようにして着座している。授業のテーマは「嘘」についてだが、「良いウソ」と「悪いウソ」というのはあるのかと子供たちに投げかけると、子どもたちから「はいはいはーい」と手が上がる。すると教授が持ってきたボールを発言者に投げ渡す。当然柔らかい緩い球を下手から投げる。ボールが飛んでくるから子どもたちの集中力は途切れない。子どもたちも楽しくあっという間に時間が過ぎて行ってしまった。時間が過ぎてしまったけれど、最後に「邪馬台国というのがあったけれどどこにあったのかわからない」。「九州にあったという人四国にあったという人。近畿にあったという人、奈良にあったという人がいる」だれか間違っている人がいるけれど、それは「嘘」と言えるのかと子供たちに宿題を渡す。さすがに哲学者らしい観点で、あのような視点は私は持てない。
私が言ってきたベトナムからの技術取得者として日本に送られてくる人は、まず日本語学校へ行って日本語を取得して種々な職業に就くわけだけれど、日本語学校へ入るときに悪い業者が介在したり、ベトナムでは日本行きを斡旋する業者が大邸宅に住んでいたりしている。前総理が最初に訪問した外国がベトナムだったということも何故なのか闇の中である。権力を持っている闇の政治家がベトナム人を苦しめていることは何か月か前に書いたことがある。あまりに闇が深すぎてマスコミも検察も手が出せないでいるのか、後になって「ああそうだったのか」と言っても苦しんでいる留学生は現在進行形で動いている。誰かその件をよく知っている人がいるはずだ。政府がそんなことに加担していたのでは日本人として恥ずかしいではないか。
初等学部では何年か前から運動会を6月に行うことになっている。理由は10月だと暑いからなのか、でも6月だって結構暑い。他に幼稚園が2か所あるから幼稚園と重なってしまうという懸念があるからなのか、当時決めた人に聞いてみないとわからない。初等学部の運動会は「オリンピック」と呼んでいるけれど、なんでも大きく考えた方が面白い。学校のプールらしきものは「オアシス」と言い、その水を流している川を「クジラ川」と言い、原生林のある日陰は軽井沢と呼んでいる。広い校庭の中にまばらに散っていく子供たちの姿に勢いがあって頼もしい。