年長の子供たちが4~5人のグループで元気のよい声で園長室のドアをたたく。『はいどうぞ』と言って入室を促すと、あらかじめ用意してある白線を越えて、私のそばまでやってくる。『もうちょっと後ろだよ』と言われるとぞろぞろと後戻りして線の位置につくと、賞状をもらう子がクラス名と名前を言って始まる。応援に来た子も大きな声で『応援に来た○○です』と言って早速仲間をほめたたえるのだが、それが何度か続くと、いうことがなくなってしまうようで声が徐々に小さくなっていく。
第一日目にこんなことがあった。私の前に出てくると緊張してしまうのか声が出ないでもじもじしている子がいた。劇遊びがあんなに上手にできたのに声が出ないなんておかしな話だというと、気合を入れ直すのか踊りを踊り始めた。せっかくのことだから最後まで見届けたが、踊りはみんなが好きなようで良く覚えている。
そんなことをしていると、もじもじしていた子が突然本当に突然大きな声で仲間の応援をしだした。勿論立派な賞状は受け取ることができたが、記念写真を撮るところで、もじもじしていた子に対してみんなが『よくやった』とたたえていた。声も出なかった子は嬉しそうに恥ずかしがっていたが良い光景だった。
『立派な年長』はまだまだ続くがこれからどんなドラマが待っているのか楽しみである。