幼稚園が行う小学校見学は、幼稚園を卒園し小学校へあがる前段としての幼小連携の一環としての行事である。一日ぐらい小学校を見学したからと言って、幼稚園の子供たちが小学校を理解できるとは思えない。だから私は一応の建前として幼稚園の子どもたちが次の段階の小学校を恐れないでスムースに行けるということで行っているが、やってもやらなくても子どもたちの心の中ではすでに覚悟はできているような気がする。あおば台の年長は青葉台初等中等学部へ見学へ行くが、初等学部のプライマリーの子供たちが出迎えてくれてみんなにこにこして、迎える側も迎えられる側も既に顔見知りで中に入っていくのに何ら違和感がない。子どもの世界というのは全く屈託がなくて素晴らしい。
私の机の上に『中国五千年の虚言史』という石平さんの本がある。ほぼ読み終わって大きなため息をついたところである。まさか嘘で固めた歴史があったにしても、中国の子供たちも幼児期があったはずだから、いかに幼児期やそれ以後の養育なり教育が大切であることが痛切に感じられる。オオカミに育てられた子はやはりオオカミになってしまうのだ。