初等中等学部から二つの幼稚園まで新入学児童や新入園児がでそろって、幼稚園の園庭にはたくさんの子供たちの活気で溢れている。初めて幼稚園に来た園児の中には不安そうにしている子や、サイレンのような泣き方をして保育者を求めている姿もある。なかなかスムースに入れない子でも、あと2日もすればにこにこして幼稚園の主のような振る舞いに代わる子もいるから心配はいらない。新入園児が私の手をとって『あそぼ』と言ってきたので、『何して遊ぶの』と聞いてみたら『かくれんぼ』という。『かくれんぼ』は私にはあまり意味のある遊びではないけれども、子どもたちにはコミュニケーションの手段としてすぐに思いつく遊びなのだろう。
目標や希望に向かっている人は目が輝いて見えるとよく言われるけれど、幼稚園の子どもたちは全身を使って輝いているではないか。人が輝くのは希望や目標に向かっている時ではなくて、幸せを満喫しているときなのだということに気づく。憂いなく幸せを感じている姿は、見ている側の心を幸せに導いてくれる。だから子どもたちといるときは幸せなのだ。初等学部の校庭にある大きな株立ちの桜はまだ満開にならない。この近辺では一番遅く咲く桜だ。しかしながら、必ず立派に咲いて何処よりも見事に咲き誇る。ゆっくりでも必ず立派に咲き誇る姿が何とも学校を暗示しているかのようだ。