2021年2月2日火曜日

誇りを持つⅢ

  日本国民は自分の意思で自分の国を考える創造力も力も衰弱してしまった。無くしてしまったとはとても言い切れないし、そうであったら世界に目をやって開国に命をかけて戦った先人に申し訳ないではないか。幕末の志士たちの物語はたくさん読ませていただいた。どれもこれも興味があって面白いものであったが、あれは時代小説であって歴史小説ではないのではないかと思っている。あのまま歴史書として後輩に継承していくことで間違いがないのか不安な部分がある。大体の人が読んだことがあるだろう司馬遼太郎の「翔ぶが如く」など6巻もあるような長編であったけれど一気に読み漁ったものだ。それでも歴史というよりは創作的な物語的な娯楽小説のような気がする。なぜ殺されたのかとか、殺されなければならなかったのかというような、歴史の真実に迫るものがない。もっとも私には松下村塾と玉木文之進と吉田松陰の関係がよくわかっていない。玉木文之進が創始者で吉田松陰が塾長なのか定かではない。

 明治初期には立派な人物が大勢輩出した。幕府側にも開国側にも。しかしGHQによって、歴史から抹殺されてしまった。そのような嘘の歴史を教えなければならなかった教師も忸怩(じくじ)たる思いがあったであろう。GHQは徹底した言論統制のほかに、日本人の魂を抜き去るために、アメリカにとって不利なというか有害と思われる書物はすべて没収して燃やしてしまった。日本の良き文化を維持するために必要な学校教育の根幹となる教科書は「墨塗り」と言ってアメリカにとって不都合な部分は黒く塗りつぶした教科書を使わせた。何度も書くけれどもアメリカの戦史の中で日本との戦いほど過酷な戦いはなかった。物質量で勝るアメリカであったけれども日本人の国を守る気概に何度も圧倒されて、日本人を心底恐れた結果がGHQの日本人の精神を解体する統制政策だった。

 もう戦後75年になる。日本には北方領土や竹島問題に加え尖閣諸島の問題がある。これらの問題についても解決は難しいだろうが、自分の意見をはっきり持たなくてはならない。日本人は日本人としてこの国のアイデンテティをしっかりと持って、この国をどうしたいのかをしっかりとした考えを持たなくてはならないだろう。国家を国家たらしめる憲法がGHQの手によって書かれたということがはっきりとした今(出来た時から分かっていたことだが)、国民総意による国民の手による憲法を制定するのは当たり前のことではないか。日本人としての誇りを持つ拠り所となるのは何かをはっきりさせる必要がある。

能登半島

   能登半島でM7の巨大地震があるなんて夢想だにしなかった。正月に「昨日と同じ朝が来る」なんて不謹慎なことをかいてしまった。まさかそのあとで能登半島に大きな地震が来るなんて悔やみきれない。今日時点で死者数が202人となった。行方不明者がその200人を超えている。これからまだまだ...