2022年11月17日木曜日

戦後の憲法は誰が作ったのか

  日本の国の歴史は、日本中の人が同じ認識でいれば間違いであろうとそれは正しい歴史になってしまうのか。おかしいと思うけれど、歴史などどうでもよいと思っている人たちには全く関係のない話だ。私は当時の権力者たちに「恥を知れ!」と言いたくなるような資料を手にした。これは米国のフーバー研究所に今まで眠っていたものだ。それを掘り起こして私たちの目に触れさせてくれたのが西鋭夫先生と言うスタンフォード大学の教授だ。原文の英文によるものまで見せてくれたのでこれは本物だと思う。まさかこのようなものだから偽物なんてことはないだろうと完璧に信じて話をするけれど、日本の憲法は一体誰が作ったのかと言うことだが日本の国民の誰かが作ったと言うのなら、これほどまでに憤慨することもない。一度は国民の手に渡されて憲法作成委員会なるものが準備されて、松本烝治という憲法学者を中心にことが運ばれていたらしいけれど、草案をマッカーサーのところへ持って行ったところ、マッカーサーは激怒したとある。マッカサーは明治憲法を悪の法典と見下していたから天皇の条項が気に入らなかった。秘書役のホイットニーというGHQの民生局長にマッカーサー草案なるものを見せ、これに沿った草案を持ってくるよう言い渡した。日本国憲法のGHQ草案である。そのGHQ草案は昭和21年2月13日に複写して吉田茂、松本烝治、白洲次郎に手渡す。

 この時の外務大臣は吉田茂で、絶大なる権力を持つマッカーサーに惹かれて行ったようなところがあって、憲法草案の時にも反対意見も出していないし、自分の回顧録の中でもあの憲法は提案したのはマッカーサーでありそれに対し幣原男爵は熱意を持ってそれに応じたとしている。戦勝国は敗戦国の歴史と文化に対して敬意を持って接しなければならない。と言うのはハーグ条約だか日本の武士道だか西洋の騎士道に出てきそうな言葉だが、米国マッカーサーという統治者にはそのかけらもない。以下はGHQ戦勝国の独壇場であるやりとりを書きます。

 ホイットニー准将は説明を続ける。今やあなた方は憲法草案の内容を熟知したのですから、私としてはこれまで通り、互いに手の内を全て見せ合うことを望んでおります。マッカーサー元帥がこの憲法に込めた精神と彼自身の希望を説明させてください。近頃各政党がそれぞれ公表している憲法草案は国民の間でも改正が必要であると言う意思の表れであると理解されておられます。国民が憲法改正を勝ち取るのを確実にすることが、元帥の決意なのです。

 天皇を戦犯として軍事裁判にかけよ、と他国からの圧力は高まって来ています。あなた方はご存知かどうかは知りませんが、マッカーサー元帥はこの圧力から天皇を守る決意をされております。元帥はこれまで天皇を擁護して参りました。なぜなら、元帥は天皇を守ることが正義だと考えておられ、今後も力の及ぶ限りそうされるでしょう。しかし皆さん元帥といえども神のように万能ではありません。しかし、元帥は日本がこの新憲法を受け入れるなら、天皇に誰も手が出せないようにするために全力で尽力されるでしょう。新憲法を容認すれば、日本が連合軍の占領から独立する日もずっと早くなります。それは、連合軍が要求している基本的自由が日本国民に与えられたと見られるからです。

 元帥は、私がこの草案を日本政府と政党に提示するように命じられました。その採用について皆さんが審議した後、望むなら、この憲法は元帥の完全な指示を受けた憲法として国民に提示しても良いとまで断言しているのです。もちろん元帥はこれをあなた方に押し付けてはおりません。ですが、元帥は、この憲法に明記されている民主主義の原則を国民に提示するべきだと決意されておられます。あなた方の自主的な行動によってこの新憲法を国民に示すことを願っておられます。もし、自主的にできないのなら、元帥自らが公示することになるでしょう。そうなると皆さんのメンツは丸潰れです。元帥はこの新憲法によって、敗戦国日本が世界の諸国に対して、恒久平和を目指す道徳的指導者になり得る機会を与えておられるのです。

 あなた方がこの草案を受け入れて、政治的に進歩的、革新的となること、すなわち急速に左傾化することで、あなた方の地位と権威は減衰により保証されます。今までのように極右のままだと、あなた方の政治生命は終わります。この憲法草案を受け入れることが、反動的な国体護持派とみなされているあなた方が生き残る唯一の望みであると言う現実を忘れないでください。はっきりと断言しますが、草案を受け入れれば、あなた方の権力が延命いたします。受け入れなければ、あなた方の政治生命は速やかに終焉を迎えます。元帥は、日本国民がこの憲法草案、もしくは、私たちが望む諸原則が反映されていない他の憲法を選ぶ自由もあるべきだと考えておられます。(註*選ぶ自由など最初から皆無)

 かなりの量を書ききれないでいる。これは外務大臣官邸で話し合われたGHQの要人と日本側の要人の会話のメモである。吉田茂やその他の人も参加しているが、吉田はこの時からマッカーサーの付き人のようなことをしていて、GHQ草案も幣原総理に戦争放棄の項目など責任をなすりつけており、マッカーサーのイエスマンになることによってマッカーサーから総理になるお墨付きをいただいたようだ。なにしろ占領軍の力は絶大であるから日本の国会などどうにでもなる勢いであったから。白洲次郎のことも「マッカーサを叱った男」なんて格好の良いことを書かれていたけれど、白洲は吉田の犬のようである存在だからそんなことは絶対にできるわけがない。

能登半島

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