2023年6月15日木曜日

変な病気にかかったものだ

  変な病気にかかったものだ。女房は主治医の言うことに一辺倒だ。医者の使命を理解していないわけではないけれど、医者は病気を治すことはできても、人の心を治すことはできない。主治医の指示にいちいちもっともらしく頷いている傍らの女房に、私は瞬間空恐ろしさを感じる。主治医はレントゲンの写真やCTの写真を覗きながらあれこれと説明をしていてくれるけれど、私の心の中を覗こうとしない。私は病名がはっきりしたときに主治医から延命装置の話を聴き、私はそれを拒否した事実がある。私には理解不可能な大量の薬については目に見えた延命装置にしか映らない。主治医の指示に教条的に聞き入っている女房と議論の余地はない。自然治癒に任せることは不道徳なのか。自分の命を自分で選択できないのか。無理矢理生かされてもそれは幸せではない。長生きすることが人生の勝利だなんて馬鹿なことを言っていた薬屋の回し者のような人もいたけれど、人生の価値はいかに生きたのかであると思っている。自分自身で顧みて「にこっ」笑えればいいではないか。子どもたちの中にいて、子どもたちと共に笑い、ともに苦悩する時もあった。そんな素晴らしい人生を送ることができたではないか。過去を惜しむことはない。私をそっとしておいてほしい。

 幼稚園の玄関にはご丁寧に立派なツバメの巣がある。一生懸命何か月前から修復を繰り返しながら作ってきたものだ。それをあっさりと取り除こうとしている。保育者たちが私を思ってそうしようと思ったらしいけれど、ツバメには関係がない。私がそこを通らなければよいことだ。

 

能登半島

   能登半島でM7の巨大地震があるなんて夢想だにしなかった。正月に「昨日と同じ朝が来る」なんて不謹慎なことをかいてしまった。まさかそのあとで能登半島に大きな地震が来るなんて悔やみきれない。今日時点で死者数が202人となった。行方不明者がその200人を超えている。これからまだまだ...